使用上のご注意
電気用品安全法 PS-E
平成11年8月から“電気用品安全法”が新しく改訂されて“電気用品安全法”略して“電安法”となりました。
改訂に伴いその内容も大きく変わりました。
その概要とグルーガンはどのような規制があるか、その概要を説明します。
一言で言えば大変に厳しくなりました。
1995年PL法が施行されると同時に、電気用品取締法がかいされ、〒マーク表示義務がなくなり、替ってPS-Eのマークを付ける義務が生じました。
目的は規制緩和政策の一環とされ、従来は政府が承認してきたものを、製造、販売業者の自主性にゆだね、自分たちで全責任を負いなさいとなりました。
これを誤解して規制が撤廃されたと勘違いしている業者があります。
しかし以前の技術基準はそのまま残っていて、これに適合しない商品の販売は出来ません。
それでは誰が検査をするのかと言いますと、先ずは製造者が、輸入品では輸入業者か販売業者が行うことになりました。
当社では、出荷前に全製品を検査し、合格したものには規定のPS-Eマークのラベルを貼って出荷しています。
又、輸入業者は事前に経済産業省へ輸入の届けを出さなければなりません。
- ◉ 違反者への罰則の強化:商品の回収と一億円以下の罰金又は懲役1年以下。
- ◉ 検査義務:検査の実施義務及び検査記録の作成と保存。
- ◉ 表示義務:検査に合格した製品には所定のマーク又はPS-Eを表示する。
検査事項
1.外観検査 2.絶縁耐力検査 3.温度検査
これらの検査を全数に対して行わなければなりません。抜き取り検査は駄目です。
グルーガンに要求される技術基準
グルーガンは次の技術基準に基づいて製造されていなければなりません。
- 電気コード:器具の一部が60℃以上になるものについては、ゴムコードを使用しなけれればなりません。
- 表示:電圧、電流、温度は見やすいところに表示する。
- ゴムコードとヒーターの電線の接続方法。
- 安全装置:ヒーターの種類によって異なる。
★技術基準、検査基準は電気用品のカテゴリーによって変わります。
グルーガンのトラブル
小型手の平サイズと中大型グルーガンではトラブルの内容が一部相違する点があります。
これはあくまでも当社の販売しているグルーガンに関するもので、他社のグルーガンでは違い ますのでその点を お含み置き下さい。
1.ノズルからボタボタ垂れる
ノズルの先端部にはバルブ(弁)が入っています。写真ご参照。
グルーガンの引き金を引くと、溶けたグルーが丸いボールを押します。
すると、ボールの 周囲に空間が生じてそこを通ってグルーが出てきます。
※グルースティック(ホットメルト型接着剤)は加熱すると膨張します。
膨張したグルーはこのボールを押してノズルから出てきます。これが垂れる、或いは漏れる・・・と言はれます。
しかしこの現象は、ある意味では避けられない・・・と言うことが出来ます。
コイルスプリングを強力なものにすれば防止出来ますが、今度は引き金が堅くなって、手が痛いと 言うクレームになります。
※連続的に垂れる場合は、コイルスプリングが折れたり、熱で弱ったことによるものと考えられます。
小型グルーガンの場合は交換が出来ません、ノズルが取り外せる構造のものはノズルを 交換することに なります。
2.詰まって出てこない、或いは逆流した・・・最も多いトラブルです。
異物を入れない限りノズルで詰まることはありません。これまでの経験では同じ意味を指しています。
この原因は、グルーガンの溶かす原理の誤解にあります。
全てのグルーガンは、内部で溶かし一定の温度になったものを、後ろから押し出して塗布して貼り合わせるもので、押し出しながら溶かすものではありません。
挿入されたグルースティックは、スティックの周囲から溶け始め、次第に中心部へ向かって溶けます。
中心部まで溶けて一定の温度に迄上昇するまでに数分の時間が掛かります。
中心部まで溶けないうちに引き金を引くと、芯のまだ溶けていない部分がノズルのバルブで詰まります。
この状態で、引き金を強引に引くと、周囲の溶けた部分は行き所が無いので後ろへ戻ろうとします。
戻ったメルトは後部のシリコンスリーブで固まってしまって、引き金が動かなくなり、詰まった・・・となります。
溶けたグルースティックの温度が低いと、接着力が出ません、直ぐ外れてしまいます。
3.引き金が戻らない
内部の引き金を戻すコイルスプリングの断線です。
交換する必要があります。
4.温度が上がらなくなった、或いは低くなったようで十分に溶けない
一般に販売されているグルーガンのヒーターには、PTCヒーター(セラミック製ヒーター)を使っていますが、これの劣化による抵抗値の上昇か、ヒーターの割れです。
修理は出来ませんので買い換えが必要になります。
5.熱くならない・・・温度が上がらない
5-1: 電源コードの断線; グルーガンのハンドルの付け根での断線が最も多い。
理由は繰り返し曲げと引っ張られることによる。
5-2: スイッチが付いている機種ではスイッチの接触不良或いは内部での断線による。
スイッチのランプが点灯しているのに暖まらないのはヒーターか内部の断線による。